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“Day by day, in every way, I’m getting better and better.” 「日々に、あらゆる面で、 私は益々よくなってゆく」 クーエの有名な暗示文です。
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深い旋律を聴いていて、心地よい刺激だったものがやがて暴力的な緊張感を帯びる瞬間を感じた。
しまった、と思うのだけれど、既に取り込まれているあたしの表皮やその内側で赤くぬらぬらと光る臓物や、
もっと根本的な、形の無いぶよぶよとした塊はその旋律に酔いしれ、引っ張りあげられ、裂かれ、抱きしめられていた。
酸欠になった魚のようにぱくぱくと息をしている自分に気がつき、その境目から正気を取り戻す。
その頃には既にあたしは骨抜きになっていて、間抜けな声ですごかった、とだけ漏らしていた。
息を止められ、裂かれ、剥がれた記憶は言葉にならず、賛美の声だけが喉を通過する。
残念だ、と嘆いた。
こんなに繊細で暴力的で真空に吸い込まれるような旋律と出会えたにもかかわらず、あたしは決してまともに伝えられないし、
あたしのぶよぶよの脳味噌はいつしか慣れてしまうのだろうなと思うと居た堪れなくて、声に出さずには居られなかった。
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何度も言うけれど、今日、見知らぬ二人のおっさんと本気で喧嘩をした。
警察が介入し、俄然かわいい子ぶったあたしは無罪釈放。
だが事実、あたしが「くそじじぃが!」と罵っていた。

今まで何かあれば何も言えず泣いてきたあたしからすれば、
初めてのことだ。

他人に対しベクトルを向ける事は稀に見ることだ。
というか、何も理由が無いのにも関わらずあたしがこうなったのは、
初めてといっていい。

何かが少しずつ崩れていく。

あたしは本当に、あたしなのだろうか。
今日あたしは、お気に入りのポスターをコピーしようと思い立ち、
誰に何も告げる事なく外に出て、コピーをとってすんなり帰ってきた。

これはとてもとても、画期的なことだ。

少なくとも、この4ヶ月の間では、全く出来なかったことだ。

そしてあたしは今日二回外に出たのだけれど、

二回とも喧嘩して帰ってきた。

これも稀というか、むしろあたしが生きてきて初めての出来事だ。

一度目は、おっさんが自転車に乗りながら、あたしを抜き様に、
「赤い靴、赤いかばん、赤い巻きもの~」とからかってきた時だった。
あたしが住んでる地域は治安が悪く、行儀のなっていない爺が多いので、
普段からこういうのには無視を決め込んでいるのだけれど、
気が付いたら「うっさいわ!!頭おかしいんちゃうんかじじぃ!!」
と口汚く罵っていた。

あたしは自慢ではないけれど、他人を口汚く罵った事もないし、
泣かされて帰る事はあっても、
喧嘩するなんて転地がひっくりかえったとしても絶対にしない。
いや、しなかった。
そのあたしが「死ねや糞じじぃが!!」と罵り、
まさか言い返されると思っていなかったのか
ぽかんとした表情を一瞬浮かべた後、激情に駆られたじじぃが
「このくそガキが!」と罵り返し、自転車にのって帰ってきて、
あたしと醜い罵りあいを続けた挙句、
「ちょっと声かけただけで罵りやがって」とかなんとか言うので
「通りすがりのあたしに不必要な発言を吹っかけたのはおっさんやんけ糞じじぃが!」だとかなんとか罵った。
周りは異様にざわついていて、
おっさんはあたしを今にも殴らんとばかりに怒っていたけれど、
やるならやってやる、かかってこいとまで思っていた。
最終的には警察が介入しておっさんはどこかに連れて行かれた。
連れて行かれ際、彼はあたしに向けてつばを吐いて行ったが、
幸いあたりもしなかったのでなんとも思わなかった。

「他者から見て、まともに見えたのは、あたしっぽかった」から、
連れて行かれたのは「見るからに下品な小汚い爺」だったけれど、
実際は、不用意な発言を吹っかけられたとは言え、
無視を決め込んでいればよかったのに我慢できなかったのはあたしだ。

汚いな。

二度目は、あたしが今まさにコピーをとろうとしている時、
後ろに居たじじぃが
「コピーとるんかねぇちゃん」と、まるで自分が先にコピーするのが
当然だとでも、どけとでも言わんばかりの態度で凄んできたので、
「私の方が先に並んでいたのですが、
 どうしても、お先に、されたいのであれば、そうあたしに仰れば?」
とコピーをとりながら睨むと、
「いや、あの、別に・・」と急に態度を変えた。
その後横に居るおばはんに小声で「ほんま、最近の若い奴は」
とか何とかあたしの悪口をうじうじジクジク言っていたので、
コピーをとり終えたあたしは振り返り様、
「本当に、最近の年寄りは無駄口ばかり叩きますよね」と
笑顔で言って帰ってきた。

後ろでなんだか怒鳴っていたけど関係ない。
あたしはコンビニのドアを開けて、
途端吹き込んできた木枯らしに頬を冷たくしながら帰途についた。

というか、こんなに喧嘩っ早くなってしまったあたしはどこに行くのだろう。

最近自分が自分じゃなくなる感覚が強くなる一方で、

おっさんおばはんに罵られ殴られる可能性よりも、

それのほうが不安だ。

あまりふらっと出かけないようにしなければ。

同居人にも迷惑がかかる。
ピアノが弾きたい。

とても、弾きたい。

あたしの手が動くうちに、もう一度、弾きたい。
自分の背中の大きさを履き違えて、抱え込むのは優しさではありません。

かねてからあたしがそういい続けている、

あたしの大切な大切な、とても大切な人は、

また何か抱え込もうとしている様子です。

そうやって抱えて、抱えて、抱えて、いつか一緒くたに倒れて。

それでは誰も助からないのですよ。


本当に助けたいのならば、

貴方自身が元気で、健康で、幸せで、楽しくなければならない。

どうしてわかってくれないのですか?

お兄ちゃん。
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