貴方は、いきなり「赤くて丸いもの」を買ってきて
と言われたら、何を買ってきますか？


赤いボール？

トマト？

りんご？

イチゴかな？



あかくてまるいもの　とは、

そういうものなのです。

人によって物自体が違う、あいまいなもの。

でも私たちはしばしば、

「あかくてまるいものが欲しい！！」と言ってしまう。

まるで子供の様だ。

■■■べろべろーん

べろーん。

病気なのだという。

私は。

きっと病気なのだろう。

胸がどきどきして、落ち着かない。

ひとつの事だけしか、考えられない。

それを紛らわすために、たくさんの事をしてみるのだけれど、

たくさんの赤くてまるいものを手にとって見るのだけれど、

どれも偽者だったりする。

偽者だと知りつつ、偽者の赤くてまるいものを私からも返す。


本当にほしいのはひとつだけなんだけれど、

実はその「赤くてまるいもの」も

偽者だと知ってる。


それでも、わかっていても、すがりたい。

本物であれば、これが本物になればと思い、

「おまえは赤くてまるいですか？」と愚かにも本人に尋ねてしまう。

もちろん「赤くて丸いもの」は『本物です』と答えるのだけれど。

でもそう答えるしかないのだ。愚の骨頂。

ああ、赤くてまるいものが真実でありますように。

神様。

「しあわせになりたーい」

女の子はよく言います。

幸せになりたいって、具体的にどうなりたいんだろう。

先日そんな問いを私にした人が居た。
おまけにその人は「幸せになりたいとは思わない」のだそうだ。

「それは俺自身が今概ね幸せであって、
また、大きな幸せも大きな不幸も経験した事が無いからかもしれない」

と言った。

彼はしばしば私を混乱させるのだけれど、彼の、『複雑そうな言葉』には実はあまり意味が無い事は知ってる。

だから私は答えた。

「少なくとも、私の幸せは『愛している人』と一緒にいられる事であって、またその『愛している人』が幸せでなければならない」

それを聞いてか聞かずか、彼はなげやりに

「それは、俺もそう思う。だから、俺が幸せでなければ、誰も幸せにはできないんだろう」と答えた。

結局この人は、自分ありきなのだ。

もちろん、悪い意味ではないけれど。


でも、寂しい。